医療安全教育セミナー2011夏季 (医療安全管理研修会) ― 医療安全の最先端技術 − 会期 2011年8月1日(月)〜3日(水) 会場 東京大学医学部鉄門記念講堂 (1日の定数310人) 主催 国際予防医学リスクマネージメント連盟 |
プログラム
趣旨: 本教育プログラムは、高度な医療安全活動を構築するための最新の資料を与えるもので、内容は毎年新しい話題を取り上げています。なお、本プログラムは、厚生労働省の診療報酬改定による「医療安全対策」として診療報酬申請に加算する際に、加算の対象となる2011年度の研修教科内容の1部にもなります。この場合は、2011年度冬季セミナー(2012年1月末の3日間実習)と併せて6日分を申請することをお勧めします。平成22年度診療報酬改定(平成22年告示第69号)により、専従医療安全管理者以外に、専任医療安全管理者が医療安全対策費の対象となります。参加者には受講証明書を発行いたします。
受講対象者: 学会員、医療施設経営者、医療安全管理者(医科と歯科)、リスクマネージャー、医薬品安全管理者、医療機器安全管理者、医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師、法関係者、医療事務関係者、医療産業界関係者、学生、市民、その他
(第1日目) 2011年8月1日(月) 午前9時〜午後5時
東京大学医学部鉄門記念講堂
『医療安全の動向と調査・教育』
受付開始 午前8時
(8月1日午前の部)
(座長)
午前9時 開 会
午前9時〜午前9時30分 ガイダンス
午前9時30分〜午前10時30分 (質疑5分を含む)
「医療事故発生状況に関する日本と海外の動向」
長村 文孝 東京大学医科学研究所付属病院医療安全管理部部長
(概要) 欧米と日本の比較によって、医療事故発生の特徴が講義されます。
午前10時30分〜午前10時40分 小休憩
午前10時40分〜午前12時 (質疑5分を含む)
「院内安全教育の新しい取り組み - OJT方式によるリスク感性の教育」
釜 英介 都立駒込病院
(概要) リスクの高い職場では職員のリスクに対する高い感性が安全行為の基本であり、また、医療安全でも最初から一貫して不可欠である。院内職員のリスク感性向上のための新しい方法の1つであるOJT方式に関して、貴重な著書を刊行した著者自身によって、詳細が講義されます。
午後12時〜午後1時 昼食
(8月1日午後の部)
(座長)
午後1時〜午後1時50分 (質疑5分を含む)
「事故報告から医療事故の原因を発見する ---- 患者の立場から」
柴田 義朗 柴田・羽賀法律事務所、早大卒
(概要) 事故報告書から事故原因を発見する際に、患者とその親族の立場を離れると甚大な医療紛争に発展するリスクがある。今回は、患者側の弁護士として関連する多数の著書を有する先生を講師としてお招きします。
午後1時50分〜午後2時 小休憩
午後2時〜午後2時50分 (質疑5分を含む)
「医療関連死の解剖情報の医療安全活動への活用について」
吉田 謙一 東京大学大学院医学研究科法医学・医事法制学、教授
日本予防医学リスクマネージメント学会理事長
午後2時50分〜午後3時 小休憩
午後3時〜午後3時50分 (質疑5分を含む)
「TeamSTEPPS − チーム医療におけるコミュニケーションの新技術」
橋本 重厚 福島県立医科大学医療安全管理部、教授
(概要) 現在の医療は高度なチーム医療であることが多い。人と人の関係という不確実性の高い場面ではコミュニケーション・ミスにより事故が多発しやすい。そのために、米軍で近年開発された方法を解説する。
午後3時50分〜午後4時 小休憩
午後4時〜午後4時50分 (質疑5分を含む)
「リスクマネージャーサポートツール」
山本 貴章 東京海上日動メディカルサービス社、医師
(概要) 院内で医療事故のリスクマネージメントを行う上で必要となる多数のツールを取りまとめた近著の著者グループの代表として、ツールの詳細が講義される。
午後5時 第1日目閉会
(第2日目) 2011年8月2日(火) 午前9時〜午後5時30分
東京大学医学部鉄門記念講堂
『医療安全の先端技術』
受付開始 午前8時30分
(8月2日午前の部)
(座長)
午前9時〜午前9時50分 (質疑5分を含む)
「ISOツールによる院内リスク管理 --- 実例から見た考え方」
大田 喜孝 社会医療法人雪の聖母会
聖マリア病院 情報システム部部長
(概要) 技術の国際認証機関であるISO(国際標準化機構)では技術とシステムの安全のための多くの標準化が提唱されている。それらに基づいて、高度な院内リスク管理システムを様々に開発したチームの責任者から、それら実績に基づいた講義が行わる。ISOは難解な点もあり、院内での導入事例によって理解を深めます。
午前9時50分〜午前10時 小休憩
午前10時〜午前10時50分 (質疑5分を含む)
「オペレーショナルリスク管理の考え方と方法」
青島 健二 東京海上リスクコンサルティング社ビジネスリスク事業部主席研究員
(概要) リスク管理の最先端技術の1つである「オペレーションルリスク管理」を紹介し、安全向上への意義を講義する。
午前10時50分〜午前11時 小休憩
午前11時〜午前12時 (質疑5分を含む)
「医療事故における病院の危機管理システム・医療事故緊急対応のあり方」
島本 和明 札幌医科大学学長、
第10回日本予防医学リスクマネージメント学会学術総会会長
(概要) 札幌医科大学付属病院病院長時代の経験に基き、病院管理者として危機管理システムのあり方を講義する。
午前12時〜午後1時30分 昼食
(8月2日午後の部)
(座長)
午後1時〜午後1時50分 (質疑5分を含む)
「臨床検査の危機管理」
町田 幸雄 日本医科大学千葉北総病院医学検査部 --- 日本臨床衛生検査技師会の推薦
(概要) 本技師会では臨床検査の安全指針を検討している。その最新内容を紹介いただき、医療の他職種の方々と共有する。
午後1時50分〜午後2時 小休憩
午後2時〜午後2時50分 (質疑5分を含む)
「医療安全の戦略的マネージメント ― バランススコアーカードを用いて」
末盛 泰彦 九州医療センター麻酔科
(概要) 世界の医療界では手術でのチェックリスト導入が叫ばれている。その方法の最新技術を紹介する。
午後2時50分〜午後3時 小休憩
午後3時〜午後3時50分 (質疑5分を含む)
「患者の異常の早期発見のための院内教育、並びに医療安全のための初期教育プログラム」
井上 文江 飯塚病院 医療安全管理室
(概要) 日本の中で最も高度な医療安全活動を開発している医療機関の1つである当院にて、最近開発された職員安全教育システムを紹介する。
午後3時50分〜午後4時 小休憩
午後4時〜午後5時30分 (質疑5分を含む)
「イギリスの医療安全活動について」
武藤 正樹 国際医療福祉総合研究所長・国際医療福祉大学大学院教授
(概要) 武藤先生はイギリスなど海外の医療安全精通している日本の第一人者です。イギリスでは医療安全活動を世界で最初に国家を挙げて展開しています。
今回の講義により、医療安全の先進国イギリスの諸活動について学習します。
午後5時30分 第2日目閉会
(第3日目) 2011年8月3日(水) 午前9時〜午後4時
東京大学医学部鉄門記念講堂
『医療安全のリスクコミュニケーションとコーチング』
受付開始 午前8時30分
(8月3日午前の部)
午前9時〜午前12時 (質疑10分を含む。午前10時30分〜午前12時は小休憩)
「医療安全のためのリスクコミュニケーションの現状と課題」
荒木 登茂子 九州大学医学部医療コミュニケーション分野教授
(概要) 院内医療安全システムは、医療専門技術の安全と、人と人による安全のリスクコミュニケーションから成り立つ。医療での不適切なコミュニケーションが医療事故の原因の7割と報告される。医療でのミス・コミュニケーションに関して日本で最大の研究成果を有する先生に、安全な医療のためのコミュニケーションの詳細を講義していただけます。
午前12時〜午後1時 昼食
(8月3日午後の部)
(座長)
午後1時〜午後2時20分
「看護師の法的責任」
荒井 俊行 弁護士、東大卒
(概要) 弁護士の立場から看護行為の法的問題に関して最近書籍を出版された著者自身によって、その概要が講義される。
午後2時20分〜午後2時30分 小休憩
午後2時30分〜午後4時
「医療安全のためのコーチングの考え方と技術」
出江 紳一 東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野教授
(概要) 安全教育では職員技術指導としてチーム学習が不可欠である。しかし、職員個人には個人差が大きいために、コーチによる個別の技術指導もリスク低減に大いに期待される。
医療安全分野でのコーチングに関する近書の著者自身によって、その神髄が講義されます。
午後4時 全体閉会
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