医療安全教育セミナー2011夏季
(日本語社会人教育プログラム)
医療安全の最先端技術
日本で最初に開催された医療安全のための社会人教育プログラムである「医療安全教育セミナー」は、本年度で7年目を迎えました。本社会人教育プログラムの目的は、1)日本医療界に医療安全の高度専門家を育成すること、および、2)全国の医療機関にとって参考となる医療安全に関する極めて高度な教材を日本語で提供することです。
リスクマネージメントのリーダー育成はハーバード大学で類似の教育セミナーが毎年開催され、全米各地と海外から多数の参加があります。アジアでもこのような機会の必要性を痛感し、友人である先方の主催者の協力を得て、世界学会として2005年より日本において特別に開催し、毎年、沖縄から北海道に至る多数の参加者により連日満席となりました。
さて、近年日本では様々な医療安全活動が組織化され、医療安全に必要となる院内外の基本インフラが整えつつあります。そこで昨年度の夏季セミナーからは、本セミナーの初心である「医療安全に携わる人々の極めて高度な専門能力の開発」という原点に回帰しています。
第1日目は、医療安全に関する海外の動向を含めて、事故調査方法を中心にいくつかの新しい安全ツールが解説されます。
第2日目は、医療安全のために最近開発されてきた最先端技術を様々な臨床現場から紹介いただきます。また、医療安全活動について世界で最初に国家として取り組んできた歴史のあるイギリスの医療安全活動に関して、その事情について日本で最も詳しい先生によって講義されます。
第3日目は、医療事故の原因として7割を占めるとされるノン・テクニカル・エラーの主因である医療リスクコミュニケーション問題に焦点を当てて、日本で膨大な研究成果を上げている先生からその全貌を詳細にわたり講義いただきます。また、医療事故の原因の1つである個人のリスク認知障害の個体差が大きくため、コーティングの理論と技術が不可欠です。医療安全のコーティング技術の最先端が講義されます。
以上のように、今年度は、医療安全で最近開発されている多種多様な最先端技術について、日本を代表する方々によって講義いただけました。
安全教育は人類の永遠の課題ですが、本プログラムは各医療施設での医療安全の技術向上に大いに資します。
2011年5月
国際予防医学リスクマネージメント連盟 (URMPM) 理事長
世界健康リスクマネージメントセンター (WHRMC) 理事長
酒井 亮二
東京大学大学院医学系研究科法医学教授
日本予防医学リスクマネージメント学会 (JSRMPM)理事長
吉田 謙一
札幌医科大学学長
URMPMおよびJSRMPM 顧問
島本 和明
主催者一同
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