医療安全教育セミナー2010夏季
(日本語社会人教育プログラム)
医療安全の能力向上
日本での「医療安全教育セミナー」は本年度で6年目を迎えました。本社会人教育プログラムの目的は、1)日本医療界に医療安全の高度専門家を育成すること、および、2)全国の医療機関にとって参考となる医療安全に関する極めて高度な教材を日本語で提供することです。
リスクマネージメントのリーダー育成はハーバード大学で類似の教育セミナーが毎年開催され、全米各地と海外から多数の参加があります。アジアでもこのような機会の必要性を痛感し、友人である先方の主催者の協力を得て、世界学会として2005年より日本において特別に開催し、毎年、沖縄から北海道に至る多数の参加者により連日満席となりました。
さて、過去10年にわたる日本での様々な医療安全活動の向上により、医療安全に必要となる院内外の基本インフラがかなり整備され、また、全国の医療機関において機械・道具の安全使用のために必要となる基礎的技術、すなわち器具とソフトの開発が人間工学的観点から浸透しつつあります。そこで、2010年度のプログラムでは、本セミナーの初心である「医療安全に携わる人々の極めて高度な専門能力の開発」という原点に回帰できるに至りました。
第1日目は、医療安全システムの構築や医療事故の情報管理のあり方が解説されます。今年度は、これらの諸問題に実際に携わっている各現場の先生方から最新の具体的な考え方・進め方を紹介いただきます。
第2日目は、医療安全に必要となる院内事故調査委員会の標準的な設置方法、患者満足度を高めるためのコミュニケーション能力向上、ならびに院内での医療安全教育のあり方について、日本を代表する専門家の方々によって講義されます。
第3日目は、リスクマネージメントの国際最新情報、危機介入のあり方、外科領域での安全対策の進め方、安全の法的観点に対応する看護記録の作り方、海外での医療事故調査制度、といった世界最先端の具体的な話題が紹介されます。
安全教育は人類の永遠の課題ですが、今年度は以上のよう医療安全に携わる個人能力の大幅な向上を目指しています。これらにより各医療施設の医療安全の更なる向上に大いに資します。
20010年5月
国際予防医学リスクマネージメント連盟 (URMPM)
世界健康リスクマネージメントセンター (WHRMC)
日本予防医学リスクマネージメント学会 (JSRMPM)
理事長 酒井 亮二
東京大学大学院医学系研究科法医学、JSRMPM常任理事 吉田 謙一
東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学、JSRMPM常任理事 木内 貴弘
九州大学病院麻酔科、JSRMPM常任理事 外 須美夫
主催者一同
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