医療安全教育セミナー2007年春季
「医療安全技術の最先端」
- 市民と作る医療安全
(社会人公開プログラム)
リスクマネージメントに関する社会人教育プログラを4年前から小規模な試験開発を実施しました。目的は、リスクマネージメントの最終責任者である各界の組織長の方々に対して、欧米で進んでいる科学的なリスクマネージメントを普及させることです。
3年間の試験成果を受け、2006年からは集中スクール方式を採用し、2006年1月、8月および12月に東京大学で開催した医療安全に関する国際フォーラムと日本語セミナーでは全国のバイオニアを交えて、医療安全の法制度、ヒューマンファクター、安全組織、癌のリスクマネージメントなどに関する集中教育を実施し、全国各地から多数の方が参集されました。
2006年次の医療安全社会人教育も今回の春季セミナーをもって最終回を迎えます。これまで取り上げられなかった上記のテーマ以外として、院内危機管理システム、安全技術、リスク情報、リスク評価とリスク低減戦略の策定といった重要な課題が存在し、それぞれに高度な専門性があります。今回の春季セミナーは「医療安全技術の最先端」を大テーマとして、1)
リスク評価を含むリスクマネージメントのプロセス、2) 医療安全の技術分野で日本を代表する諸機関・団体の最新情報、3) 医療事故の危機管理、および4) 医療安全と情報・教育に焦点をあてました。これら分野で日本を代表する方々の最新発表を一同に会することは日本では極めてまれで、本プログラムは全国の医療施設経営者、安全管理者、医療従事者個人ならびに医療産業従事者の方々にとって極めて貴重な資産となる、と確信します。
同時に、本プログラムは個別課題のエキスパートと患者体験者を含む多彩な分野からの参加者の間でのリスク・コミニュケーション(リスクに関する意見交換)の場でもあり、医療現場の方々、患者体験者およびマスメディアの方々からの貴重なご意見がより良い医療の開発を可能にします。その点で、春季セミナーの3日間はどなたでも参加できる市民公開方式を採用し、サブテーマとして「市民と作る医療安全」となりました。医療施設経営者や医療従事者といった医療専門家ばかりではなく、医療産業界を含む多分野の方々との間での大討論会が、私たちの安心で納得できる明日の医療を創出する、と信じます。その意味で、講師の方々は大変厚いメッセージを届ける決意であり、春季セミナーは楽しい討議のひと時となるよう、主催者一同努力いたします。
2006年12月
酒井 亮二 (国際予防医学リスクマネージメント連盟理事長)
吉田 謙一 (東京大学大学院医学研究科法医学教授)
木内 貴弘 (東京大学医学部付属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター教授)
林 茂樹 (独立行政法人国立病院機構災害医療センター副院長)
有賀 徹 (昭和大学病院副院長、同医学部救急医学講座教授)
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