医療安全教育セミナー 2007年春季
「医療安全技術の最先端」
- 市民と作る医療安全
(社会人公開プログラム)
会場: 東京大医学部教育研究棟
(プログラム)
受付開始: 各日とも午前8時30分
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第1日目:
2007年3月1日(木) –
「リスクマネージメントの基本技術と医療安全技術」
趣旨: 院内の医療安全活動に必要となるリスクマネージメントの基本知識を解説し、更に、日本での医療安全技術の開発を推進する代表的な機関における最新動向を紹介していただき、医療従事者や医療産業従事者を交えて、今後の開発のあり方を討論します。
午前9時〜午後12時 オープニング・セッション
午前9時〜9時5分 開会
午前9時5分〜10時10分 (質疑10分)
(教育講演)
医療事故の発生状況
林 茂樹 独立行政法人国立病院機構災害医療センター副院長
(内容) 医療事故発生件数の正確な実態を明らかにすることは各国で困難を極めています。ここでは国立病院機構(146病院、6万病床、職員数4.6万人)が統一基準で独自に調査した、質と量の高いデータによる最新結果が報告されます。
午前10時10分〜午前10時55分 (質疑5分)
(教育講演)
医療事故の日米比較と法改正の意義
柴田 徹一 日本薬科大学・薬学部教授
(内容) 米国の詳細な医療事故データを調査してきた経験に基づき、医療事故の日米比較を行う。それを受けて、国民の信託を受けた「国会の意思」である衆議院の本会議に上程にされた改定薬事法での医療安全の意義を解説し、今後の課題を検討する。
午前10時55分〜午前11時 小休憩
午前11時〜午後12時 (質疑10分)
(教育講演)
リスク評価とリスクマネージメントの基本的プロセス
酒井 亮二 国際予防医学リスクマネーシセメント連盟理事長
(内容) リスクという本質的に不確実な有害現象に対するリスク学は、未解明要素がたくさんある生命活動でのリスクに対する対応の基本知識です。また、限りある資源の最適利用を目的とするマネージメント学は医療活動でも基本です。この2種類の学術の融合であるリスクマネージメント学による、医療安全対策での基本的な考え方と方法が解説されます。
午後12時〜午後1時15分、 昼食
午後1時15分〜午後5時 アフタヌーン・シンポジウム (T)
「医薬品・医療機器にたずさわる国内機関の安全技術の最新動向」
(概要) 医略品・医療機器のリスク管理を行っている国内の代表的な政府関係機関と公共的な団体における医療技術の安全性に関する基本的な活動を紹介いただき、医療と産業界の現場との交流により、今後のあり方を検討します。
座長 外 須美夫 (北里大学医学部麻酔科教授、厚生労働省医薬品・医療機器等対策検討会委員)
午後1時15分〜午後2時15分
医薬品医療機器総合機構の活動概要
豊島 聡 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 理事 審査センター長
元国立医薬品食品衛生研究所
医薬品医療機器審査センター センター長
(内容) 本機構は、平成16年4月に設立され、「健康被害救済」・「審査」・「安全対策」の三つの業務を柱としております。より有効で」「より安全な」製品を「より早く」患者の皆様に届けることを主務とする同機構での安全性に関する活動が紹介されます。
午後2時15分〜午後3時15分
医療機器センターの活動概要
小泉 和夫 財団法人医療機器センター 常任理事
(内容) 本センターの目的は、医療機器の研究開発等に関する調査研究を行い、その適正な普及及び向上を助長奨励するとともに認証を行い、医療機器産業の健全な発展を図るとともに、臨床工学技士の育成に努め、もって国民の健康増進及び医学の向上に寄与することです。医療機器の安全を含めたセンターの活動概要が紹介されます。
午後3時15分〜午後3時30分 小休憩
午後3時30分〜午後4時30分
薬のリスク/ベネフィトと協議会の活動概要
海老原 格 くすりの適正使用協議会 理事長、元厚生省薬務局安全課長
(内容) 本協議会の目的は、「かかる被害の未然防止」を考えて、医薬品の適正使用について、医薬学の根拠に基づいた情報を収集し、消費者、医療担当者に提供することです。活動の基本となるリスク/ベネフットの基本知識などが紹介されます。
午後4時30分〜午後5時
総合討論会 -– 医薬品安全と医療危機安全の今後の課題と展望
2007年3月1日(木)午後5時30分〜8時、
懇親会 東京大学学士会館別館 (東大赤門隣り)、03(3814)5541
東京神田の学士会館本館ではありません。
- 第2日目: 2007年3月2日(金) -
「医療事故の危機管理」
趣旨: 臨床現場での医療事故後の対処方法を具体的な事例に基づいて解説します。文部科学省によるリスク研究推進事業の概要とその中での医療安全研究が紹介されます。更に、医療安全の最先端問題に対する対策のあり方を討論します。
午前9時〜午後2時 モーニング・セッション 「医療事故応答システム」
(概要) 医療事故紛争処理に必要となる院内外の包括的なシステムの構築の方法について最先端の話題が紹介されます。
午前9時〜午前10時30分 (質疑10分)
(特別講演)
医療事故紛争対応の院内危機管理システムのあり方
永井 厚志 東京女子医科大学附属病院長
(内容) 医療事故が発生した場合、院内の対応システムが不適切であると、しばしば甚大な医療紛争に発展します。適切な院内医療事故危機管理システムの要件を実例の中からご講演いただき、全国病院における紛争対応システムの普及を図ります。
午前10時30分〜午前10時40分 小休憩
午前10時40分〜午後12時10分 (質疑10分)
(特別講演)
医療事故調査の方法 – 日本と海外の動向を踏まえて
吉田 謙一 東京大学大学院医学研究科法医学教授
(内容) 医療事故調査の公平性・客観性の観点により、法と医学の両面から中立的な事故調査システムが必要になっています。カルフォルニアでの医学研修体験から今日までの長年にわたって研究してきた様々なご経験に基づき、国際的水準に立脚した医療事故調査の方法が解説されます。
午後12時10分〜午後1時20分 昼食
午後前1時20分〜午後2時 (質疑5分)
医療安全支援センターと院内患者苦情対応システムの連携
西川 美智子 横浜市健康福祉局医療安全課
(内容) 患者さんからの医療機関に対するご意見への適切な対応は、より良い医療の構築および不用意な対応による医療紛争の発生を未然に防ぐ重大な機能があります。全国で施行がはじまった医療安全支援センターと院内患者苦情対応システムの連携の実例が紹介されます。
午後2時〜午後3時30分 (質疑10分)
(特別講演)
リスク解析戦略研究センター(RARC)とリスク研究ネットワークの活動概要と医療安全
椿 広計 文部科学省統計数理研究所RARCセンター長
筑波大学大学院ビジネス科学研究科国際経営プロフェッショナル専攻長
(内容) RARCは2005年秋に文部科学省統計数理研究所に発足し、以来、日本予防医学リスクマネージメント学会の賛助機関として、健康と生存の様々なリスクに関するリスク評価の科学的手法を開発しています。その活動概要と医療安全への取り組みが紹介されます。
午後3時30分〜午後3時40分 小休憩
午後3時40分〜午後6 アフタヌーン・シンポジウム (U) 「医療安全の緊急課題」
(概要) 今日の日本全国の医療が抱えている医療安全に関する幾つかの緊急課題に対する医療リスク対策のあり方を学際討議します。
座長 中西 成元 (国家公務員共済組合連合会 虎ノ門病院副院長)
午後3時40分〜午後4時20分
産科の医療安全
野田 洋一 滋賀医科大学産科学婦人科学講座教授 元附属病院副病院長
日本産科婦人科学会産婦人科医療提供体制検討委員会委員
(内容) 日本の産科医師数の減少は出生率低下に対応して10年以前から医学生の進路選択の低下として始まっています。母子無事の出産(ゼロリスク)が当たり前という最近の社会通念は、医療の現実とかけ離れ、日本の産科医にとって厳しい緊張の日々を強いています。本講演では日本の産科医のリスキーな環境に焦点を当て、スマートな解決策を討論します。
午後4時20分〜午後5時
周産期医学の医療安全
– 新生児のリスクマネージメント
楠田 聡 東京女子医科大学母子総合医療センター教授
日本未熟児新生児学会医療の標準化検討委員会委員長
(内容) 周産期は医学的に最も高度なリスク期であるため、新生児に対しては極めて高次元のリスク管理が必要です。ここではハイリスクの新生児に対する医療安全には何が必要かを紹介されます。
午後5時〜午後5時30分
医療安全に関する最近の潮流と政策課題・提言
小野崎 耕平 学会会員、自民党三重県参議院選挙区第一支部長
ハーバード公衆衛生大学院理学修士過程修了(保健・医療政策)
(内容) 周知のように、リスク学はハーバード大学で先進的に取り上げられました。大学の医療政策研究もまたリスク学の観点に立った先進的なものです。また、医療事故の多発を世界で最初に証明したのもハーバード大学でした。同大学での最近の体験から、医療安全に対して日本医療界のリスク戦略のあり方が紹介されます。
午後5時30分〜午後6時
総合討論会 –- 出生をめぐる医療制度および医療安全制度のスマートな改善のあり方
- 第3日目:
2007年3月3日(土) -
「医療安全と情報、教育」
趣旨: 情報学はリスク問題を古くから取り上げていますが、日本の医療情報分野における医療安全に関する院内外の情報システムについて解説をいただき、さらに医療従事者向けの院内安全教育に関するいくつかの事例からより良い院内教育システムの構築方法を討論します。
午前9時〜午後12時 モーニング・セッション 「リスクと情報」
午前9時〜午前10時 (質疑10分)
講演 Aネットの現状と課題
菊池 嘉 国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター
臨床研究開発部長
(内容) ICタグやインターネットなどの最先端技術を屈指した、院内医療安全コンピューターシステムの開発が日本政府の支援の下で産官学により進行しています。この院内安全情報システムは日本の科学技術が世界で最初に開発した最先端テクノロジーで、欧米の超一流大学からも注目されています。ここでは、現在までの開発経緯と今後の課題が日本社会に発信されます。
午前10時〜午前11時20分 (質疑10分)
(特別講演) 大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)の活動概要と医療安全
木内 貴弘 東京大学医学部付属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター教授、センター長
青木 則明 東京大学医学部付属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター助教授、副センター長
(内容)
数年前から本学会では、医療安全を全国的に普及するためにリスク情報の集積と共有が不可欠との提言を行い、幾つかの機関で新たな医療事故情報システムが設立されました。会員数26万人を越える、日本最大の医療情報システム、UNIMの最新活動が医療安全を含めて紹介されます。UMINは大学病院のみならず、一般病院、医療関係者が広く利用できる公共の医療情報システムです。
午前11時20分〜午前11時30分 小休憩
午前11時30分〜午後12時 (質疑3分)
講演 リスク情報ハイウェーおける日本の情報技術の世界的に重要な役割について
酒井 亮二 国際予防医学リスクマネーシセメント連盟理事長
午後12時〜午後1時、 昼食
午後1時〜午後4時30分 アフタヌーン・シンポジウム (V) 「院内の医療安全教育のあり方」
(概要) 院内職員向けの医療安全教育に関する先進的かつ地域病院に適応可能性の高い教育プログラムの事例を紹介いただき、全国病院の職員に対する医療安全教育の進め方を討議します。
座長 有賀 徹 (昭和大学医学部附属病院副院長、同救急医学教授、日本臨床救急医学会理事長)
午後1時〜午後1時45分
大学病院の事例 ― 昭和大学の院内医療安全教育への取り組み
三宅 康史 昭和大学医学部救急医学講座助教授、 北沢 直美 昭和大学病院医療安全管理室
有賀 徹 昭和大学病院副院長、医療安全管理室長
(内容) 昭和大学は学長の下で関連病院での様々な院内医療安全を先進的に推進し、それらは専門家より高い評価を得ています。職員の医療安全に対する熱意はきわめて高く、その医療安全室長である有賀徹副院長(本院救急医学講座教授)は本学会の常任理事として活躍されています。
午後1時45分〜午後2時30分
一般病院の事例 − NTT東日本関東病院の院内医療安全教育への取り組み
栗原 博之 NTT東日本関東病院医療安全管理担当者
(内容) 本院はNTTの日本の拠点病院として、民間病院の中でも医療安全対策に極めて高度な実績を有します。その一端として職員の安全意識の向上の実例が報告されます。
午後2時30分〜午後3時15分
一般病院の事例 − 武蔵野赤十字病院の院内医療安全教育への取り組み
矢野 真 武蔵野日赤病院医療安全推進室室長、呼吸器外科部長
(内容) 本院は学会顧問の多くの方から、病院の医療安全モデルとして推薦されています。本院で独自に開発してきた様々な医療安全対策と職員教育が紹介されます。
午後3時15分〜午後4時
院内の医療安全教育への提言
牧野 公彦 SMC経営行動研究所所長
(内容) 牧野氏は医学生を含むさまざまな医療従事者の医療コミュニケーション教育の一翼を古くから担っています。それらの実績を下に病院職員の安全教育のあり方を提言します。
午後4時〜午後4時30分
総合討論会 – 院内での医療安全教育の今後のあり方
午後4時30分、2006年12月17日(日) 閉会
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