医療安全基礎講座2011
(日本語社会人教育プログラム)
医療安全の新たなヒトづくり
「人が宝」は全ての人間活動の基本です。このため、国際予防医学リスクマネージメント連盟は、教育・研究促進のための国際組織として世界健康リスクマネージメントセンターを東京に設立し、健康と安全における対策に関して、様々な社会人国際教育を国連大学や世界銀行で行ってまいりました。
リスクマネージメントのリーダー育成はハーバード大学で類似の教育セミナーが毎年開催され、全米各地と海外から多数の参加があります。アジアでもこのような機会の必要性を痛感し、友人である先方の主催者の協力を得て、世界学会として2004年から日本で開催しております。2006年度以降に東京大学で開催してきた各種の医療安全教育プログラムでは、日本語社会人教育プログラムにもかかわらず、近隣国からの参加者を交え、全国各地より多数の方が参加し、いずれも定数オーバーとなりました。
2008年からは、医療安全に関する基礎を教えてほしいという日本の会員からの強い要望に対応するために、「医療安全基礎講座」を開催する運びとなりました。2011年度も3日間にわたり開催する運びとなりました。
職場安全の3大要素は、安全技術とシステム、安全を志向する組織・風土、仕事に携わる人々個人の安全への意識と能力です。本学会では過去10年にわたり、安全工学や人間工学(ヒューマンエラー)の立場から、技術、システム、組織といった「物づくり」に関する病院の安全向上を図ってまいりました。
他方、医療職場では、道具と人の関係だけではなく、人と人の関係がきわめて重要です。思いやりや支えを含むコミュニケーションは、「人が宝」という言葉そのものです。また、あらゆる難局を乗り越えるのは、機械自体ではなく、「人の努力と知恵」です。すぐれた人材の育成こそが人類の宝です。
このような観点から、安全で安心な信頼される医療に必要となる「人の技を磨く」、つまり、「医療安全での人の能力開発」にも大きな比重を上げています。
超一流の世界に達した人々は皆、「基本がすべて」と申されます。本医療安全基礎講座でも「基本が肝心」を座右の銘とし、「新しい人づくりの基本」にも想いを込めて、本基礎講座をお届けいたします。
2011年3月
酒井 亮二 国際予防医学リスクマネージメント連盟理事長
吉田 謙一 東京大学大学院医学系研究科法医学教授
日本予防医学リスクマネージメント学会理事長
濃沼 信夫 東北大学大学院医学研究科医療管理学教授
日本予防医学リスクマネージメント学会副理事長
長村 文孝 東京大学医科学研究所付属病院医療安全管理部長
日本予防医学リスクマネージメント学会理事
主催者一同
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